医療画像診断・非破壊計測を想定した高分解能内部レーダセンサの研究 │ 桐本研究室
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医療画像診断・非破壊計測を想定した高分解能内部レーダセンサの研究

研究背景

UWB信号を用いたレーダ技術は誘電体内部透過性に優れ,高い測距性能(数mm)を保持します. また同レーダは,従来の超音波・X線・MR(磁気共鳴)等の各種計測技術における問題点 (超音波:高周波減衰による分解能の制限,X線:被験者の被爆等,MR:大型装置が必要・高コスト) を解決する技術としても注目を集めています. このため,特に「地雷や水道管等の地中埋設物イメージング」・「乳癌検知等の非侵襲生体内部モニタリング」 ・「壁・道路内部の破損・亀裂検査等の各種非破壊計測」等の幅広い内部リモートセンシング技術への応用が期待されています.

特に医療応用では,癌細胞の導電率が正常細胞のそれと著しく異なることを利用し, 乳癌の早期発見・治療のための画像診断技術として有望です. 現在,女性の乳癌罹患率は約5~10%と非常に高く,簡易かつ高精度な乳癌細胞検出技術の需要は極めて高い. 従来の画像化技術として,X線によるMammographyがあるが,被曝及び乳房が強く圧迫される等の身体的負担が大きく, 受診率は15%程度に留まります.一方,UWB帯域の電磁波では被曝等の身体的負担は軽減され, 癌細胞の散乱周波数特性や導電率等の特徴量を適切に抽出することで,検出精度を向上させると予測されます. また,埋設水道管の破裂検知・道路内部の亀裂等を検知する各種の非破壊計測への応用も有望です. 電磁波は特に導電率の低いンクリート性の壁や道路への透過性が高く, 超音波計測等に比べ,環境依存性の低さ・空間分解能の点で優れます. 更に同技術は,災害後の道路陥没やガス管破裂による二次災害予防技術, 空港での非金属性危険物(薬物等)探知技術や各種の非接触精密製品検査等,極めて広範囲な産業的応用展開が予測されています.

研究目的

本研究では,同研究室が独自に提案する「周波数干渉計を用いた波長限界を超える超分解能画像化原理」 ・「多重散乱波を用いた不可視領域イメージング原理」を内部画像化へ拡張し, 偏波・散乱周波数特性等の電磁波固有の特徴量を有機的に統合することで, 従来性能を凌駕する画像化「分解能」・「精度」・「再現域」を実現する革新的な内部レーダセンサのための要素技術を開発することです(図1). 図2は3次元内部イメージング例です.直方体の誘電体内部にト―ラスと円筒目標が埋め込まれています. この時,アンテナを平面上に走査して,距離情報のみから内部の像を得ます. 同図より,波長の百分の一程度の精度で目標境界面を推定することができることがわかります.

図1:高分解能内部レーダイメージングへの道筋

図2:拡張RPM法を用いた3次元内部イメージング例

参考文献

  • Ryunosuke Souma, Shouhei Kidera and Tetsuo Kirimoto,
    "Fast and Accurate Permittivity Estimation Algorithm for UWB Internal Imaging Radar",
    Asia-Pacific International Conference on Synthetic Aperture Radar (APSAR) 2011, Seoul, Korea, 26-30th, Sep., 2011.
  • Ken Akune, Shouhei Kidera and Tetsuo Kirimoto,
    "Fast and Accurate Imaging Algorithm for Targets Buried in Dielectric Medium for UWB Radars",
    The XXX General Assembly and Scientific Symposium of the International Union of Radio Science (URSI), Istanbul, Turkey, 13-20 Aug, 2011.

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